現代社会では、ストレスや疲れがたまりやすい日々が続いています。
「なんとなく体が重い」
「風邪をひきやすくなった」
「冷えや肩こりがつらい」
——こういった悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
こうした未病(まだ病気と診断されていない状態)のうちに、日々のセルフケアで体調を整えることが大切です。
今回注目したいのが、古くから伝わる東洋医学の考え方。
鍼灸院の視点から、今日から取り入れられる養生法やセルフケア術をご紹介します。
①東洋医学が大切にする「未病」とは
東洋医学では「未病(みびょう)」という言葉があります。
これは、「まだはっきりした病気にはなっていないが、なんとなく不調が続いている」状態のこと。
病気になる手前の段階で自分を整える――この“予防”の発想こそ東洋医学的セルフケアの鉄則です。
②体質を知ることがセルフケアの第一歩
東洋医学では、人の体質を「気・血・水(き・けつ・すい)」のバランスでとらえます。
・気
エネルギーや活力を生み出す要素。気虚タイプは疲れやすさややる気の低下が特徴です。
・血
体を巡る栄養分。血虚タイプは冷え、顔色の悪さ、めまいなどが出やすくなります。
・水
体の潤いを保つ役割。水滞タイプはむくみや重だるさ、湿気に弱いといわれています。
ご自身の体質を知ることで、最適な養生法が見つかります。鍼灸師によるカウンセリングや体質チェックも活用してみましょう。
鍼灸院が勧める、毎日できる養生セルフケア
1. 朝夕の“自然なリズム”を意識する
東洋医学では、「自然のリズムに寄り添った生活」を大切にします。朝は日の光を浴びて深呼吸をし、夜はスマホや仕事を早めに切り上げ、ゆったりとした時間を過ごしましょう。自律神経を整え、睡眠の質を高める第一歩です。
2. 季節や体調に合わせた食養生
東洋医学は「食べものも薬」と考えます。春には新芽の野菜でデトックス、夏はトマトやきゅうりなどの体を冷やす野菜、冬はしょうがや根菜で温めるなど、旬や体質に合わせた食事を意識しましょう。
3. 軽い運動と深呼吸で「気」を巡らせる
ウォーキングやストレッチ、ヨガ、太極拳など、自分の体力やリズムに合った運動を取り入れることで、全身の気血の循環がスムーズになります。実は、ゆっくりとした腹式呼吸だけでも自律神経を整え、心の安定にもつながります。
東洋医学の施術家にも頼ってみましょう
セルフケアで改善しきれない不調や、原因のはっきりしない体調不良が続く場合は、ぜひ一度、鍼灸院にご相談ください。
施術家の視点で体質や生活習慣を見直し、一人ひとりに合った施術やセルフケアをアドバイスします。
今の自分の状態にピッタリ合った養生こそ、最大のセルフケアです。
・まとめ
東洋医学的なセルフケアのポイントは、「自分の体と上手につきあい、日々調えること」。未病のうちにケアすることで、毎日を軽やかに、自分らしく過ごせます。ちょっとした体調の変化に耳を傾け、今日から少しずつ、東洋医学の知恵をセルフケアに取り入れてみませんか?
日々の養生習慣が、きっとあなたの健康と笑顔につながるはずです。